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登録日:2011/08/28(日) 23 17 56 更新日:2020/07/24 Fri 15 42 40 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 ネタバレ項目 都市シリーズ 重騎師 閉鎖都市巴里 全ては行動で証明するのみだ フィリップ・ミゼールとは川上稔著〈都市シリーズ〉『閉鎖都市 巴里』の登場人物。 元『巴里守護騎師(シュバリエ・デ・パリ)』、剣の家紋(シーニャ・デ・オレイル)を持つ家系であり、レジスタンスと独逸軍名誉将校の二重生活を送る青年。 主人公ベレッタ・マグワイルドとは恋人同士であり、物語開始時点でキスを済ませた仲。 情に厚く、熱血男。ベレッタが重騎師として戦えるが故に危険に近づいてしまうことを良いとは思っておらず、重騎師を辞めさせたがっている。 また少々抜けたところがあり、すでに恋人関係にあるベレッタに『俺が勝ったら付き合え』と言って総ツッコミを喰らった。 時代に取り残され、延々と第二次世界大戦を繰り返す『閉鎖都市 巴里』では1944年8月1日のレジスタンス一斉蜂起時にハインツ・ベルゲとその重騎“赤獅子”に討たれ戦死し、ミゼール家も絶えることが確定している。(『全てを知っている』ベレッタとの付き合いが中々発展しなかったのはそのため。) ○重騎師として 第一次大戦にてその勇名を馳せた元『巴里守護騎師』の名は伊達ではなく、振る剣先は音速超過の波を引き、独逸軍内での五度の模擬戦を速攻勝利するなど高い実力を持つ。 『ソルボンヌ大学大学祭にて行う重騎戦に二名選出せよ』と通知されたハインツ・ベルゲが『自分とフィリップを出せば全て解決すると』即答したほど。(曰わく「民間人に傷を負わせる騎師道に恥じる行為や余裕のない戦いはせぬと判断」) ○重騎 彼の駆る漆黒の雄型重騎“剣将(エクスペール・デ・オレイル)”は十年前にフィリップ自身がその脚を砕いてから細々と修復を重ねた騎体。 修復直後は使っていたシリンダー系が噛み合っていないため速攻戦しか行えない弱点があり、ソルボンヌ大学での模擬戦では全力駆動の負荷に耐えきれずに全身から油を噴き出して戦闘不能となってしまった。 《凌駕紋章》は『炎舞(フラーム・バル)』。 展開時は炎が個体化し、鎧となった炎は如何なる攻撃も燃やし尽くして気化させ、その四肢は炎が揺らめくが如く常に動き続けることを望む。 さらに燃やしたものをも炎へと変え己の力とし、劇中ではミゼール家に伝わる神形具『第三炎帝』を併用し全長30ヤードの炎の大剣を作り上げた。 ちなみに、本作より後に執筆され本作より過去の時代を描いた『神々のいない星で』にて、武神“戦勝女帝(アテナ・エク・メカーネス)”が技として「第一炎帝」を行使しており、恐らく2作の間の時代で「第二炎帝」が存在したものと思われる。 以下、本編ネタバレに付き注意 下巻冒頭にて、ブルゴーニュへと旅立とうとするベレッタとベッドインする。そして… ○1944年7月28日 来ないのかよ?不感症のオッサン 使用される騎(カバリエ)合計13騎。全て出力規制を外した完全武装。 3騎を陽動、残りを2騎一つの隊としたレジスタンス蜂起開始。 事故を装い、自ら工作機械に腕を突っ込み、“治療”と称し右腕を義体化させたフィリップ・ミゼールはその日を迎える。 戦場は凱旋門広場。そこで“最強の重騎師”ハインツ・ベルゲが駆る“赤獅子”との戦闘に突入。『炎舞』と待機させておいた他の騎体が携帯していた大型燃料貯槽を用いて広場全体を炎熱地獄へと変貌させる。 そうして“赤獅子”の出力倍加を封じ、ついには視界の右半分・聴覚全てを奪い“赤獅子”を追い詰め、決定打として凱旋門ごと“赤獅子”を両断しようと渾身の一撃を放つも、しかしそれは左腕を犠牲に回避され、着地の衝撃で両足を破損。 さらに胴体を裁断され、致命傷を追ったフィリップは残った上半身だけで“赤獅子”に組み付き、レジスタンス全軍に向けて最期の電信を打つ。 撃て――!! その死は予定通り訪れる。 だが人として重騎を操り“最強”を敗北寸前まで追い込んだその意志は、ベレッタ・マグワイルドは元より、敵であるハインツ・ベルゲにも深い影響を与えることになる。 《誰か 誰でもいいからアイツに伝えてくれ 闘い続けてく――》 ちなみに「本来の歴史」ではこの時ベレッタ(本編での「女剣士」)がフィリップの死に立ち会い、彼の末期の台詞(本編とは異なる)を「そのままに捉えてしまい」巴里閉鎖前に帰国。彼女に老いてもなお消えぬ傷を残した。 だが本編ではベレッタ(未来から来た「女剣士」の孫)が巴里に帰ろうとした所で諸事情により独逸軍に拘束され、しかもそのせいでハインツが巴里帰還を早めたためフィリップの死が本来の「8月1日」から「7月28日」に前倒しされた。 結果ベレッタは釈放後帰途に就こうとして予想外の訃報を聞き卒倒。目覚めて錯乱するも「母」から「妊娠(相手は確実にフィリップ)」告知を受け治療を受けた後、共にいたロゼッタの基で泣き崩れるのだった。 そして本編終盤、戦いと巴里や「女剣士」をも救う覚悟、そしてフィリップの子を産みこの時代に残る決心を抱き巴里に帰還したベレッタは、ミゼール家でフィリップの父に孫妊娠報告と共に彼の遺した手紙を託される。 奇しくも重騎に残った彼の末期の叫びにも似たメッセージが綴られたそれの末尾には、ベレッタのために残した力の在りかへの道しるべが記され、そこには強化改造された快と、父が彼の死後回収した第三炎帝が残されていた…。 …時は流れ、「巴里が閉鎖されていた」という歴史が世界から消滅し、それが記された資料も歴史の影に埋もれた2002年。 巴里から創雅都市S.F救援のため派遣された隻眼の女重騎師の名は「フォレット・ミゼール」…ミゼール家の末裔にしてロゼッタの教え子であった。 彼女とフィリップの詳細な関係性は不明だが、ミゼールの血は耐えることなく後代へと受け継がれていたのだった。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 必中男第1号 -- 名無しさん (2019-10-07 20 36 36) 名前 コメント
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術・技:フィリップ・ビクエ・レストン レイズ レイズ 上へ 術・技:フィリップ・ビクエ・レストン(TOtR)を編集
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カールアウグストフィリップルートヴィヒフォンヘッセンフィリップスタールバルヒフェルト(カール・アウグスト・フィリップ・ルートヴィヒ・フォン・ヘッセン=フィリップスタール=バルヒフェルト) ヘッセン=フィリップスタール=バルヒフェルト方伯の一。 関連: アドルフ(17) (父) ルイーゼフォンザクセンマイニンゲン (ルイーゼ・フォン・ザクセン=マイニンゲン、母) アウグステツーホーエンローエインゲルフィンゲン (アウグステ・ツー・ホーエンローエ=インゲルフィンゲン、妻) ベルタヴィルヘルミーネカロリーネルイーゼマリー (ベルタ・ヴィルヘルミーネ・カロリーネ・ルイーゼ・マリー、娘) エミーリエ(2) (子) ゾフィーツーベントハイムシュタインフルト (ゾフィー・ツー・ベントハイム=シュタインフルト、妻) ヴィクトル(3) (息子) アレクサンダー(16) (息子) アレクシスヴィルヘルムエルンスト (アレクシス・ヴィルヘルム・エルンスト、息子) ヴィルヘルムフォンヘッセンフィリップスタールバルヒフェルト (ヴィルヘルム・フォン・ヘッセン=フィリップスタール=バルヒフェルト、息子)
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■ 売ります。赤ん坊の靴。未使用 - Wikipedia ■ オルダス・ハクスリー:全体主義への予言 (1958) 41,609 回視聴 2021/04/24に公開済み 1958年に全米ネット「ABC」にて放送された、オルダス・ハクスリー晩年のインタビュー。 彼の集大成とも言えるエッセイ『文明の危機』を元に、深遠なる叡智を後世へと紡ぐ。 文明の危機 「デカルトの密室」:瀬名秀明 ■ 世界最高峰のSF、いや推理小説と呼ぶに相応しい・・・瀬名秀明「デカルトの密室」 「人力でGO(2012.7.14)」より 『デカルトの密室』は典型的な密室の構造を何重にも取りながら、脳という密室の本質に迫ります。 文体は乾いていて硬質。典型的なアメリカのSF小説をイメージさせます。 内容は、アメリカのSF小説の最高の栄誉である、ヒューゴ賞とネビュラ賞を同時受賞(ダブル・クラウン)した過去の諸作にも劣りません。 SFとしても、推理小説としても、そして前衛小説としても時代の水準をはるかに凌駕する作品です。 村上春樹がイメージだけでバカ売れする一方で、こんな名作は評価されずに埋もれてゆく。 .
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フィリッポニセイ(フィリッポ2世) フランス北西部アンジューの領主の系譜に登場する人物。 アカイア公、ターラント公および名目上のラテン皇帝。 関連: マリアディカラブリア (マリア・ディ・カラブリア、妻)
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フィリッパドバル(フィリッパ・ド・バル) フランスのバル伯の系譜に登場する人物。 関連: ティボーニセイ(2) (ティボー2世、父) ジャンヌドトゥシー (ジャンヌ・ド・トゥシー、母) オトンヨンセイ (オトン4世、夫)
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小説 GC8が小説を書くページです。 たいした物は書けないと思いますが、よろしくお願いします。 ~小説MENU~ ■RACING BATTLE ~R1 GRAND PRIX~
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チャールズフィリップアーサージョージ(チャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ) チャールズサンセイの別名。
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各作者様方の小説やイラストなどの作品などを掲載するページ。 作者別作品リスト雨雫姫 卯月 OD カークン 軽崎 かやさた 銀龍 くいな ジュニア SyouRen 森風ほりぃ 聖龍 光神 ソロモン 泰紀 虎眼 日香 珀路 He ベル 蛍 ま~ MY 水鏡 聖牙 Yuki ライム 林檎茶 ルド 作者別作品リスト 50音順ですが、間違っていたらご連絡ください。 敬称略。 雨雫姫 卯月 OD カークン 小説あるSF隊員の人生 あるキツネの人生 軽崎 かやさた 銀龍 くいな ジュニア SyouRen 森風ほりぃ 聖龍 光神 SSとある野営の一夜(シリアス寄り?) 過去の面影(シリアス寄り) 袖振り合うもなんとやら(ほのぼの) とある昼の一時(ほのぼの) 静かな嵐(シリアス・エルオラン騒動後) 一夜の夢(ほのぼの) ソロモン 小説闇夜の襲撃者 雪の国の猛者 ~3の付く日の幸運~ 小説もどきのぞみ(超短編) その他旅籠で人狼ゲームを開催するそうです 小説裏話 泰紀 小話 歳晩の砌 微睡の匂い (どんな匂いがしますか?) ストローク・ディスカウント (ヒトにとって一番辛いのは、無視されることらしい。) イオノスヒア (曙光の電離、氷塊の結実。それは邂逅と始まり。) とある旅籠の星月夜抄。 (いつもと違うって、ちょっとわくわく。) 全てを浚うもの (あたしの忌々しい記憶には、そいつが必ずいた。) 訪春 (なんてさり気なく、穏やかな。) その星(せかい)に響いて。 (類は友を呼ぶ、ってコトかもしれないネ。) あおのしま (空の青。海の蒼。自然の碧。そこは小さな楽園。) チョコレイト・カース (優しさは甘さ。それを施すのは、天使なんかじゃない。) Sanctuary ZUBORA cooking !! (それなりに美味しく食べられたらいいんです!) 命のバトン (あり得るかもしれない未来のお話。) 太綱愛哀曲 (薤露蒿里の路、雲外蒼天の罪。) desperata mundi (絶望の世界の小さな希望の話。) 一生始まらないプロローグ (「それ」を自覚できたのは、一人の少女と一匹の獣。) 丸めて捨てられた不確定未来 (こんなのいらない。) 廻る古代のレクイエム 前篇 後篇 (若さ故の過ちが、彼らの一生涯を決めてしまったのです。) 口無しへ (幸せでしたか?そう問うても、もう答えは無いけれど。) 黄昏色をした子供たち (こうして大人になっていく。) #00ced1 (忘れないで。) 煌星を飲み込む (それは闇。) その他 小説裏話 (独立させるまでもない上の小説の裏話をおいてます。) 欠片結び (自分の世界観の裏設定発表の場です。) Omnibus of youth (現代パロ的な学園パロ注意。) 虎眼 スーツの男と館の女 四十のち どんぶらこダークルーム編 伊ヴァウ家の食卓 日香 珀路 陰陽 作戦前夜 初恋 民話「悪魔の剣」 神の定理 ある処刑具の追憶 He ベル 蛍 ま~ MY 短編賢狼はかく語りき〜前約〜狼と男・1 魔界王子と男 義兄(あに)と手紙 水鏡 聖牙 Yuki 長編・短編共に話の時系列が古いほど上においてあります。 長編とか続き物 「五つ星」(アクション物?) 出演キャラ:プレアデス関係一同。 「箱庭探訪記」(冒険物) 出演キャラ:ミニチュアガーデン関係一同 ずいぶん前にこのサイトに載せていただいていた物。いつか書けると・・・いいな。 「3人娘が風邪を引いたようです」(ほのぼのギャグ入り) 出演キャラ:ユキ、ヴィダスタ、ティマフ他事後承諾をとっていきます 短編 「鏡映しの道化師」(ホラー?) 出演キャラ:チビティマフ 「読書日和」(ほのぼのギャグ) 出演キャラ:ユキ、ヴィダスタ、ティマフ、 ディプス、ルティカ、ルルティ、フォルア、ユシェア 「とある野営その2」(ほのぼの。Cellさんの「とある野営の一夜」に便乗) 出演キャラ:フォルア、ゼーレ、ユキ 「Junk Memories」(ちょいほのぼの?) 出演キャラ:ユカリス、ヘスケス、泰紀、ベルファスト 「対の君へ」(ほのぼの?) 出演キャラ:ユカリス、ユキ 「やわらかな呪詛」(※序盤グロ注意) 出演キャラ:ユキ、ティマフ、フィネスト、ナガリス、ティルダ、ケーフィア 「板越しの告白」(ちょい憂鬱) 出演キャラ:ヴィダスタ、ティマフ、ユキ、チェダー 「博士と人形」(ちょい憂鬱) 出演キャラ:チェダー、ヴォルス 「○月×日」(ほのぼの) 出演キャラ:フラディ、ユカリス 「悲しみ、嫉妬、可憐な愛情」(ほのぼの、あるいはしんみり) 出演キャラ:泰紀 「つぎはぎの夢」(怪文章注意) 出演キャラ:??? 「つなぎ合わせた夢」(↑をつなぎ合わせた物) 出演キャラ:??? 「人喰い葬」(しんみり) 出演キャラ:マウロ、村正 「無邪気の代償」(どうあがいても、鬱) 出演キャラ:チェダー他 「クリスマス大作戦」(ほのぼの) 出演キャラ:チェダー、ミレディ、ヴィダスタ、メルルティア 「人喰い葬・その後」(ほのぼの) 出演キャラ:マウロ、??? 「たまごぱにっく!」(少し未来IF。ほのぼのギャグ) 出演キャラ:ティマフ、ティア、希鳥、( ティマフの )卵 ナーム、ヴァルナー、セルレア、カルネア、エーヴェルト、ストラス ライム 林檎茶 ルド
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憎々しいほどに晴天な太陽このやろう。 現在俺は春真っ只中の中学デビュー中…もとい、夢幻学園デビューを果たすため、徒歩で学園に向かってる。 中学生までは、近所にあった手頃な『マジムラ中学校』という、若干不気味で若干宗教っぽい表向きには若干普通の中学校な所に通っていたが… 話に聞く限り…この俺がこれから入学する『夢幻学園』とやらはどうやら素晴らしい学園のようだ。 根拠は、総生徒数が何万千人というらしいこと。噂で聞いた話だが。 生徒が多いということは人気があるということであり…… 即ち最も評判が良いということだろう。ぬかりはなかった。 ちなみに夢幻学園は、最近入学生が多すぎるため、面倒な手続きなどは一切皆無の全自動入学制度を最近導入したらしい。 なので俺は今回夢幻学園初見である。何、なんとかなるだろう。俺は今までの人生、すべて行き当たりばったりだった。 ─────そんなことよりも、これから高校生へと変身し、果たして俺は友達が出来るのか? それだけが不安要素ではある。 まぁ……なんとかなるだろう! 高校生への進学は、即ち大人への第一歩…ぶっちゃけた話、俺は友達よりも彼女が欲しかった。 まぁ……それもなんとかなるだろう! …さて、この道を曲がったところに夢幻学園があるのだったか? 先程夢幻学園は初見だと言ったが、登校ルートもわからんようでは流石になんとかならんぞ! 俺は地図を広げた。 「地図を落としたようだ。」 広げる地図がなかった! どういうことだ。 全て上手くいっていた。しかし地図がないのではどうしようもないではないか。 いつ落としたのだ?それとも最初から地図などなかったのか?俺は統合失調症なのか? 困ったことに俺は方向音痴であった。 地図があっても、3回中1回は道を間違える俺が、地図なしでは3回中3回とも道を間違えるのは火を見るより明らかだった。 そして俺は今回一度も地図を広げた憶えはない。バカな…張り切りすぎたというのか? 我が家のママンは何故地図を見ていくのよッとか気の利いた台詞を言わなかったんだ! 今からでも遅くない。引き返して……ハッ! 「そこの短髪セーラーな少女よ」 「あ゙?」 「そう!君だ。ここらへんに学校はあるかね?実は道に迷ったのだ!ここらへんで最も近い学校へ案内してくれ!」 「……ヘェ、君も入学生か。あのガッコーに、君が…ねぇ」 「なんだ?」 「いや、なんでもねェ!良いだろう。案内してやるよ」 中々ボーイッシュな少女だった。 ちなみに俺は極度の人見知りである。 何故極度の人見知りの俺がこんなにも容易く同じ学生でしかも異性の少女に分け隔てなく話しかけることができたのか。 理由は火を見るよりも明らかだった。 それは───彼女が異性だからである。 「──行き当たりばったりの達人であるこの俺は、当初の目的を忘れないことに定評がある。即ちそれは高校になり、彼女を作り、その次に友達を作ることだ。 ちなみに……この生娘はもろ好みだな!ボーイッシュ最高!」 「何ブツブツ言ってんだお前」 「なんでもないさ」 「…そうだ、おいお前…名前は?」 「え?」 何から何まで初対面でしかも道案内役に過ぎぬ赤の他人の貴様に名前を聞かれる筋合いはないが?…と、そうではない! 「俺の名前は厄崎災人。災厄の厄と山崎パンの崎。災厄の災と人と書いてヤクザキサイトだ」 「ヘェ、良い名前じゃないか……」 「俺の名前を聞いてそんな反応をしたのは君が初めてだ。」 「そうか?良い名前だと思うがな……私の名前は刃奈嶽魔子、はなおかまこだ!」 「ほう!普通の名前だな」 「そうだろ?」 俺は未来の嫁となるであろう彼女と親睦を深めながらも、順調に歩を進めた。 彼女のボーイッシュな短髪の生え際を眺めながら進み、そして辿り着く…… 「ここだな」 「ここか」 如何にも!ここが夢幻学園らしかった。 噂に違わぬ巨大で厳つい校門が開いて……いない!閉まっている!? 「ここは───試しの門だ」 「試しの門!?」 「このコテで動かない巨大な校門を、なんとかして開けて入るのさ。それがここの第一試験…いや、第一関門だ。破壊するのは確かナシだったはずだが」 「ほう……それは噂にはなかった。どうするか……」 「心配はいらねえぜ。私とお前は、パートナーだろ?協力して入ろう。だが、ここは私に任せておいてくれ」 「俺と君がパートナーというのは初耳だが良いだろう。任せておく」 「ちょっと待ってな」 そう言いながら少女はセーラー服を脱ぎ始めた。ついでにスカートも脱ぎ始めた。 鼻血が出た。 「貴様は何をしているのだ。」 「汚れるのが嫌だからな……流石全裸を見せたくはないから、これで我慢するか。このセーラー服とスカート、持っていてくれないか」 汚れる?何をする気だ……そう思いながら、俺は受け取ったセーラー服とスカートをまじまじと見ていた。 「さぁ行くぜ」 少女が力む。突如少女の細い腕に想像できないような巨大な力こぶが発生した!!! 「うおらああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」 しかし発生しただけで、壁はビクとも動かない!!!! 「こなくそォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」 ブシュウッ!!と少女の力こぶや体全体に浮かびまくっている青筋にヒビが入り、出血が発生する! 「お、おい無理s「ドオオオオオオリャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」 ビュルルルッ!!!!!!!!!!!!!!!!!と少女の体全体が自らの血で血まみれになり始めた頃……漸く扉が開き始める!!!!!!!!!!!!!! 「おいィイイイイイイイイイイイイイ!?!?!?!?さッ流石にヤバいぞッ!!それ以上はッ!はなおかッ!!」 「ま、まだまだあぁああぁぁぁあああああアァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 ブツンッ!!!!!!とはなおかから何かがブチギレる音がした。流石の俺も肝を冷やしたが───それは杞憂に終わる! 「いッいまだ、入れェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」 「は、はいィイ!!」 バッグオン!!!!!という音を立てて巨大な校門は開いた!!!!!!!!!!!!!!!!!! 俺は校門へ壮絶な体勢でもたれかかるようにしていた少女はなおかを一瞬で抱きかかえ、校門の中への侵入を果たしたのだ!!!! 「勝った…!!勝ったぞ、はなおかまこ!!!!!!!!貴様の根性の勝利だ!!!!」 「ま、まだ……ゲッブァ!!……………まだ……粋がるのははえーぜ、厄崎ィ…」 少女は血を吐き、フラフラしながら体を支える俺を突き放す。 「あ、歩けるのか?」 「当たり前だ…見くびるんじゃねーぞ。あたしの体は、生まれつき頑丈なんだ。じゃなきゃこの学校に来ようとも思わねぇさ」 少女は血まみれの体の上にセーラー服を着始めた。結局汚れてるじゃないか…まぁ無論、着ないわけにもいかんが 「(そんなに凄い所なのか…この夢幻学園は)」 「私はもう大丈夫だ……さぁ行くぜ、第二関門…だがこれが事実最後の関門だ。『校庭まで辿り着くこと』……」 「……どういうことだ?」 ───安堵の息をつく暇もないのか。突如、俺の足元に突き刺さる複数の矢。 「いたぞッ!入学勢だ!!殺せ!!!!」 「ち!油断してたな……今年は大豊作じゃねーか!!!!殺人に精が出るぜ!死ねィ!」 などと言いながら、今にも矢をひこうとしている学生達。彼らは見たところ一年生ではないらしい 「こういうことだぜッ!!他の生徒…在校勢があたしら入学勢をできるだけ減らす為に戦闘を仕掛けてくる!厄崎!!!!!」 「なんだ!?」 「ここからは喋っている暇がねぇ!校庭までの距離、およそ300m!とにかく走れ!!!!! 私もフォローしてやる……お前も一人の夢幻街住民なら、在校勢の一人や二人、ブッ殺せるだろう!」 「ああ!やってみるよ!!!!」 正直に言おう!俺に殺人の経験はない!しかし、今はそんなことを言っている暇もなさそうだ。 それが夢幻学園の方針というのなら従おう……! 「それじゃあ厄崎!いくぜェ!!」 「こいやァァア!!!返り討ちにしてやるぜ!!!!!!!!」 矢!!!矢!!!矢!!!! 目で追えないほどの高速で迫る矢に、俺は怯む暇すらなくただ無心に突き進む!!!! 「死ねィィィ!!!!!!!!」 「グギャアアアアアアア!!!!!!」 先頭を切ったはなおかが、在校生Aの腹を殴る!!!!! 腹を殴るという単純な動作…しかし、その素早さ故に在校生は避けることが叶わず、その腹に大きな風穴を開けた!!!! 俺も負けじと矢を躱しながら飛び立った!!!! 「上か!?」 「遅いわァァア!!!!!」 俺は両足を使い、在校生Bの顔面にメテオキックを食らわした!!!!!! 「ゴ…バアァア!!!!!」 流石にはなおかのように絶命させるには至らないが、関係ない!!とにかく今は進むのだ!!!! 殲滅しながら…あるいは避けながら。 たった300mにも関わらず、長い道のりだった。俺には、この走行距離が、とても長いように感じた。 何度も何度も走馬灯を見つつ、矢を顔面すれすれのところで躱し、道端で偶然知り合ったボーイッシュ少女はなおかと共に、戦い抜いた! 恐らく人生で、最も充実し…そして最も濃い時間だっただろう…… 体全体が熱く滾るような感じを覚えつつ、そして、校庭直前にまで辿り着いた…! 「おおッと、ここから先は通さねぇぜ……」 「私達、サムライコンビが通しません」 ───それは一言で表せば、異様だった。 女性の方は───見えない!!!! 見えないのに、声だけがする──しかも、これは恐らく魔術や怪しい異能の類ではない!彼女の技術によるものだろう。 しかし。何より際立って異様なのは、この見えない敵ではなく、見える敵… ────男のもつ巨大な野太刀!!!!!!! 「5mはあるな……それをあんな軽々と持ち上げるとは……」 「貴様ら入学勢は、我々在校勢にとって邪魔でしかない新勢力。危険な芽は早急に詰むに限る!」 「まぁ、待ってくれ、先輩方」 「何ィ?」 ここは、この俺…厄崎災人の行き当たりばったり話術の見せ所だ! 「先輩方は排他的すぎる!我々在校勢は、確かに大部分があなた方の競争で、非常に邪魔な存在になり得ます!」 「そうだろうそうだろう!」 「だから殺すのです。議論の余地はない!」 「いやいや……しかし果たして全員が全員あなた方にとって邪魔な存在になるでしょうか? 俺は思うのです。俺達はきっと分かり合える!きっと一緒に道を歩んでいけるとね!」 「そんなことはないぞ厄崎!!!!!!!!!!!」 「はなおかまこさん!?!?!?!?!?」 はなおかさんからツッコミがくるとは思いもよらない!!! 「私達は戦争をするためにこの学校へ入学しに来たんだッ!私達が学ぶべきものは、あらゆる事態に適した戦争方法のみ! そこに一片の理性も必要ない!私達はただ、敵と見なせる存在を殺すほかない!!!!!!!!!」 「いやですから、敵だけじゃなく味方もいるということをですね」 「厄崎、と言ったな。貴様の言ってることは小難しい。そんな小難しいことを理解するよりも……我々は殺しあったほうがマシだと思うのだ」 「そうですね。私もそう思います」 うんうんと頷く在学生二人。 「今回ばっかりは、私もそう思う!」 在学生二人に何故か同意しているはなおかまこ。 「…………ですよねー!!実は俺もそう思い始めていたところです!!」 終わる世界。 議論不可能……だと?バカな……いくら夢幻学園の方針とは言え、この学園……学園というより戦場に近いぞッ! 「フン……では戦争再開といこう───こちらから行くぞ!!!!!!!!!!!!」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」 刹那───容赦なく振り抜かれる野太刀!余りにも巨大すぎる間合い! 俺は、胴体が泣き別れになりそうな予感を感じ………体勢を低くする!!! 「あれ!?避けた!?」 野太刀の男が声を上げる! どうやら避けたのは俺だけではなかったようだ!!!!! 「そおい!!!!!!!!!!!」 はなおかまこの空手チョップが、男の眉間に決まったァーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!! ゴグシャアッ!と、白目を剥いてぶっ倒れる男!だがまだ油断はできない──女のほうがまだだ! しばらく続く緊迫した時間!! 「………………気配がないようだぞ、厄崎」 「うむ…あ、置き手紙だ!」 《お腹がすいたので帰ります。命拾いしましたね》 とうとう姿だけでなく声も消えた女! 「へっ……私の強さに怖気付いたか。弱い先輩方だぜ、全くよ」 ─────────────勝った! 「こ、これで………」 「そうだ。これで……」 「これで入学できる!!!!」 「…ああ!さぁ、校庭へ急ぐぜ!!!」 俺は踊るような足取りで……はなおかさんは、少し不器用な笑いを浮かべながら…… 俺達は校庭へ向かい、そして描写の間もなく一瞬で到着する!! そこには非常に沢山の入学勢達……顔面が在校勢の血で塗れた入学勢達がいた。 余りにも血生臭い校庭には、看板が立っていた。 『只今、校庭では戦争禁止』 この看板が立っていなければ、戦争が起きているのか… しかし、今の修羅場を乗り越えた俺には見える。数十分前には想像もしなかった光景……生徒達が鬼の形相で殺し合いをしている光景が! これから永い学園生活になりそうだぜ…… ふと気づくと、俺の隣にいる、俺より一回り小柄なはなおかまこの視線は、一点に集中していた。 ───どうやら始まるらしい。 筋肉隆々の校長と思わしき男が、朝礼台を登っている。 『えーーーーーーーーーーーーーーーーーー………… 修殲学院《しゅうせんがくいん》に入学した、新たなる狂戦士共に告ぐ……… 既におわかりいただいていると思うが……貴様らに命の保証はない!』 そんなことはわかっている。 いやまて、今なんと言った。学院?しゅうせん…え? 『貴様らはこれから三年間卒業するまでこの学院を出ることができん!!!!!!!!!!!!! 既に教師達により、この学院の周囲を、不可視の結界によって包み込んだ。如何なる物理干渉を受け付けない、神秘の結界だ…… 貴様らは、この三年で、卒業するかくたばるか………どちらか選ぶことが出来る!!!!!!!!』 校長が何か言っているが、言葉が全く頭に入らない。 「はなおかまこ。はなおかまこよ」 「ンだよ?厄崎……私の顔に何かついてるかァ?そんな顔をして…今校長の話を聞いてんだけど?」 「いや…さ…ここって…夢幻学園じゃないの?」 「夢幻学園?そのような軟弱な学園とは違う!知る人ぞ知る生存率10%の超エリート校…そこがこの修殲学院! 夢幻学園とは違い、学生の数も少ないし死亡率も高いが、その分少数精鋭なんだぜ! お、おい…まさか知らないで入学したなんて言わねーよな!?」 「……………………………………………ああ。もちろん知ってたとも!」 「それはよかった」 《城塞天守・修殲(しゅうせん)学院》 そこは、血に塗れた城壁と城壁と城壁と天守型校舎の辺鄙な学院だった。 校長の説明中、説明の長さにキレた一人の生徒が校長に発砲したが、容易く避けられ敢え無く首をふっ飛ばされるという珍事もあった。 しかし入学者達はほぼ全員その光景に大して戦慄していなかった。中には真顔の奴もいたほどだ。俺は別のショックで真顔だった。 もう逃れられないらしい。何から何まで。 行き当たりばったりの人生も、これで詰みかも知れぬ──だが。 だがそれでも…と、俺は思った。なんとかなるまで、なんとかするだけだ。 そう思った、春のとある日のことだった。